髄膜炎の要因とは?
髄膜炎は大きく分けて無菌性髄膜炎と化膿性髄膜炎に分けることができます。髄液を腰からぬいて培養し、原因の細菌が見つかると化膿性髄膜炎といい、細菌が見つからないと無菌性髄膜炎と呼んでいますが、無菌性髄膜炎のほとんどがウイルス性の髄膜炎と考えてよいでしょう。
◆無菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎では、おたふくかぜウイルスによるものと、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど一般に夏カゼを起こすウイルスが原因のことが多いようです。髄液の中の原因ウイルスが何かを調べるためには時間がかかる特殊な検査が必要で、さらに治療にはほとんど影響しないため、一般には行なわれていません。おたふくかぜウイルスによる無菌性髄膜炎は、おたふくかぜの経過中におこるため、容易にそれとわかります。おたふくかぜは流行性耳下腺炎とも呼ばれているように、両側または片側の耳の直下が腫れてきます。反復性耳下腺炎や化膿性耳下腺炎と紛らわしいことも稀にありますが、回りの流行状況や血液中の抗体検査で容易に診断がつきます。熱や耳下腺の腫れ自体は一週間もすれば治まり、耳下腺炎自体はそんなにやっかいなものではないのですが、耳下腺の腫れがピークになるか、ひき始めたころに突然、頭痛と吐き気が出て髄膜炎を発症することが稀ではありません。
◆化膿性髄膜炎
ウイルス性髄膜炎に比べてずっと頻度は少ないです。新生児、特に母親から十分な抗体をもらわないうちに生まれた未熟児ではB群溶連菌、大腸菌が原因の髄膜炎にかかることがあります。乳幼児期にはインフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌などが原因のことが多いようです。細菌の種類にかかわらず、ウイルス性髄膜炎と比べてずっと重症となり、治療も長びき、後遺症を残す率も圧倒的に高くなります。学童期になると化膿性髄膜炎にかかることは極めて稀となります。
髄膜炎の診断
発熱、頭痛、嘔吐が髄膜炎の3大症状です。また、髄膜炎を診察すると首が硬く曲げにくくなっていることがわかります。意識が低下したり、けいれんを起こしたりすると髄膜炎からさらに脳炎を起こしていることが強く疑われます。注意しないといけないのは、新生児が髄膜炎になった場合には典型的な発熱、嘔吐がなく、なんとなく元気がなかったり、お乳の飲みが悪かったり、逆に異常に興奮していたりということだけが髄膜炎の症状のことがあります。ですから、新生児の髄膜炎は早期発見が難しく、手遅れになる場合もあります。大泉門という前頭部の膜が硬く張っているようであれば要注意です。髄膜炎の疑いがあると入院して髄液検査を行ないます。すなわち、腰から髄液をぬいて白血球の数を数えたり、髄液の中の糖や蛋白の濃度を測ることで髄膜炎の診断がつきます。さらに、髄液を数日〜数週間培養して細菌が生えてくるかどうかみて、細菌性かウイルス性かを判定します。例外的におたふくかぜの時は、髄膜炎を起こしていることが予想されても、その頭痛と嘔吐の程度が軽く、全身の状態がよければ、あえて髄液をとって調べることはせずに、そのまま安静にしてしばらく様子を見ていただくこともあります。なぜなら、髄膜炎の原因がはっきりしており、しかも治療法は安静以外にないからです。
髄膜炎の治療
髄膜炎の治療法としては、入院にて安静にし、ウイルス性髄膜炎の場合は嘔吐や頭痛で水分がとれない場合には点滴をします。細菌培養の結果が判明するまで抗生剤を使うこともあります。細菌性髄膜炎の場合は抗生剤の点滴を中心に治療します。 |